九州八十八ヶ所百八霊場 第二十二番札所 八幡宇佐宮 大楽寺

スポンサーリンク
九州八十八ヶ所百八霊場
スポンサーリンク

宮中と呼ばれる宇佐の小盆地南宇佐に位置する大楽寺は、医王山を背にした段丘にあり眼前には神領の社を臨むことができます。
宇佐市内では宇佐八幡宮に次いで貴重な史跡であり、数多くの文化財が護持されています。
また近年では、厄除け開運祈願のお寺として信仰を集めている。
九州八十八か所百八霊場~九州を周る「心巡り」の旅~より

『概略』

八幡宇佐宮 大楽寺
(御朱印)

創建

元弘3年(1333年) 開基 宇佐八幡大宮司 到津 公連
            開山 奈良西大寺 道密上人

宗派

高野山真言宗

ご本尊

弥勒仏坐像(九州八十八ヶ所百八霊場ご本尊)
(お御影)

ご真言

おん まいたれいや そわか

弥勒菩薩について

遠い未来に人々を救うことが約束されている釈迦を継ぐ者と言われています。
弥勒とは古代インドではマイトレーヤと呼ばれ、慈悲から生まれた者を意味しています。仏となることを約束されているため、弥勒仏・弥勒如来と呼ばれることもあります。釈迦が亡くなられてから56億7千万年後に仏となりこの世に現れ、釈迦の教えで救われなかった人々を救済するといわれています。ちなみに56億7千万年後とは、地球を含む太陽系が消滅する余命とほぼ一致しています。

現在は仏教世界の中央にそびえる須弥山(しゅみせん)の上空にある兜率天(とそつてん)という天界で修行をしています。

住所・連絡先

大分県宇佐市南宇佐2077 TEL 0978-37-0356
(地図)

アクセス

JR日豊本線宇佐駅から大分交通バス・宇佐神宮前下車、徒歩3分
国道10号線宇佐神宮前北側
門前に駐車場あり

ご詠歌

世のなかの 憂さをいとわぬ ためしにや 塵にまじわる あとぞ 尊き

他の霊場札所

九州西国霊場 第四番札所

霊場ご本尊 如意輪観音・持仏堂内
ご真言 おん はんどま(めい) しんだまに じんばら うん
(御朱印) 

宇佐神宮大宮司到津家の菩提寺(第二十二番 大楽寺)

宇佐八幡宮は全国四万余社におよぶ八幡宮の総本宮です。広大な神域の中には国宝にも指定されている八幡造の社殿が鎮まっています。
ご祭神は応神天皇

大楽寺は、その大宮司の到津家の菩提寺として創建されました。そして建武元年には後醍醐天皇の勅願寺となりました。

多くの観光客でにぎわう宇佐八幡宮から一筋離れていて、観光客の喧騒からは隔絶されていて静かに佇んでいます。

石段を登ったところに切妻造の山門があり、右手に鐘楼があります。
後醍醐天皇(南朝)勅願寺であるにもかかわらず、永徳という北朝の年号が刻されているのは大変興味深いことです。

境内に入ると、本堂と見紛う寄棟造の持仏堂。平重盛の守り本尊でもあります「如意輪観音」や宇佐七福神のひとつの「布袋尊」が祀られているそうです。

持仏堂の向かいに最も落ち着いた雰囲気を醸し出している入母屋造のお堂が元の本堂です。現在は護摩堂兼大師堂となっています。

現在の本堂は、持仏堂の右手にあって、鉄筋コンクリート造ではあるものの、宝形造の優美な形状をしています。
内陣には、中央に穏やかなお顔をされているご本尊である「弥勒仏」が坐しておられ、その脇侍には「法音輪菩薩」「大妙相菩薩」
そして四隅には本尊を守護するように四天王が立っておられます。

木造弥勒仏及び両脇侍尊像は国重要文化財。
四天王立像(4躯)・ 開山道密上人が使用していたと伝えられる五鈷杵・永徳2年(1382)銘の梵鐘は県有形文化財です。

境内の「天」「明王」の石仏群は全て像高1メートル超のもの。 造りの精巧さ・数には圧倒されます。

町中にある案内地図によれば、別途300円の拝観料を納めれば、内部を拝観できるようです。
筆者が参拝した時は、平日の10時過ぎという時間帯のせいか、受付などは見当たらず無料の境内のみを散策させて頂きました。
持仏堂・本堂は施錠され、大師・護摩堂は扉が閉められており扉の前からの参拝となりました。
この本堂を拝観するには、別途300円の拝観料が必要となっています。

南無大師遍照金剛

大楽寺参拝後は時間がありましたので、宇佐神宮を参拝して帰路に着きました。
宇佐神宮は4万社あまりある八幡さまの総本宮です。
725年に建立され約1300年の歴史があります。境内には国宝の本殿のほか多くの社殿が点在しています。
応神天皇の御神霊である八幡大神を祭る本殿の一之御殿が創建されたことが始まりと伝わり、二之御殿に比売大神(ひめのおおかみ)、三之御殿に神功皇后がご祭神として祀られています。
国東半島に広がる神仏習合の山岳信仰・六郷満山文化と深い関わりも持っているそうです。
境内には国宝の本殿のほか多くの社殿が点在していて、神橋、呉橋(くれはし)、能楽殿、宝物殿など、歴史的・文化的に貴重な建築物が立ち並んでます。

その境内は、体の不自由な方・高齢の方・ベビーカーのご家族でも参拝しやすいようにモノレールの運行や車イスの貸出(予約制)も行っているそうです。

参拝の作法は「二拝四拍手一拝」です。

次回は第二十三番札所「長覚山 光明院」をお伝えしていきます。

願ねがわくは
この功徳くどくをもってあまねく一切いっさいに及およぼし
われらと衆生しゅうじょうと
みなともに仏道ぶつどうを成じょうぜんことを 合掌

コメント