九州八十八ヶ所百八霊場 第三十二番札所 万寿山 光明寺

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九州八十八ヶ所百八霊場 第三十二番札所 万寿山 光明寺 九州三十六不動尊霊場
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九州八十八ヶ所百八霊場 第三十二番札所 万寿山 光明寺

延岡は旭化成の企業城下町です。延岡が県(あがた)と呼ばれていた時代、土持栄綱相模守が、延岡で最初の城となる井上城を築きました
古城町という地名は、この井上城に由来しています。
養和元年(1181)豊前国宇佐郡から智賢法印を招き、鬼門除けとして光明寺を創建しました。
境内には西国三十三ヶ所の観音像が並んでいますが、これらは光明寺南に位置する愛宕山山麓にあった光福寺(明治4年廃寺)にあったもので藩主内藤氏の寄進によるものです。
また、本堂右手には淡島神社の祠等があります。 
本堂内には本尊阿弥陀三尊立像、弘法大師像、九州三十六不動霊場11番札所本尊の不動明王、勝軍地蔵菩薩像、水子地蔵菩薩像などが安置されています。
九州八十八か所百八霊場~九州を周る「心巡り」の旅~より

『概略』

万寿山 光明寺
(御朱印)

創建

養和元年(1181) 智賢法印

宗派

真言宗醍醐派

ご本尊

阿弥陀三尊(九州八十八ヶ所百八霊場ご本尊)
(お御影)

ご真言

おん あみりた ていぜい から うん

阿弥陀如来について

阿弥陀如来は、無限の寿命を持つことから無量寿如来または無量光如来と漢訳されています。『無量寿経』には 「諸仏の中に於いて光明最尊第一にして、この光にあう者をして一切の苦から免れしめる」 と無量の光明の徳無限の慈悲が説かれています。
限りない光(智慧)と限りない命を持って人々を救い続けるとされており、西方極楽浄土の教主です。
四十八願(しじゅうはちがん)という誓いを立て、その中には「南無阿弥陀仏」と唱えたあらゆる人々を必ず極楽浄土へ導くとあり、広く民衆から信仰されました。
ちなみに他力本願も四十八願の誓いから来ており、本来は阿弥陀様にすがって極楽に行こうという意味です。
仏像では、阿弥陀三尊として聖観音勢至菩薩と並ぶ姿が多いです。
さらに二十五菩薩を従え、雲に乗って往生者を迎えにやってくるともいわれ、その来迎の様子をあらわす場合もあります。

真言密教で表される阿弥陀如来は、衆生の宗教的素質がどのようなものかを妙(たえ)に観察し、 真理の教えを説いて疑惑を断じ、衆生にその本性が清らかで蓮華のようであることを知らしめる 大日如来の妙観察智の徳をつかさどる仏です。つまり大日如来の徳の一つを阿弥陀如来が受け持っているわけです。

住所・連絡先

宮崎県延岡市古城町2-13-5 TEL 0982-32-2307
(地図)

アクセス

JR日豊本線延岡駅からバス延岡高前下車すぐ
31番龍仙寺から打ち戻り、最初に大瀬川にかかる大瀬橋を渡る。さらに右折して延岡高校を目指す。高校の一本手前を左折する。
境内に駐車場あり

ご詠歌

東より参れば 弥陀の光明に 曇る心も 晴れ渡りける

他の霊場札所

九州三十六不動尊霊場

霊場ご本尊・本堂内、万寿不動
 ご詠歌 東より参れば 弥陀の光明に 曇る心も 晴れ渡りける
 ご真言 のうまく さんまんだ ばざらだん せんだ まかろ しやだ そわたや うんたらた かんまん
(御朱印)

(色紙)

延岡の信仰の息づく(第三十二番 光明寺)

光明寺は第三十一番札所の記事でも触れました土持氏が延岡に最初の城の井上城を築城した際に豊前国宇佐郡より招いた智賢法印によって鬼門除けとして創建されました。

鎌倉、室町時代と隆盛しましたが、土持氏の滅亡とともに衰微しました。
しかしその後再興され歴代領主の祈願寺となり真言宗醍醐派の日向国袈裟頭として修験道の中心となりました。

とはいえこの光明寺も明治の廃仏毀釈修験道禁止令により一時廃寺となりましたが、その後ふたたび再興の許可を得て復興しました。

境内は白壁に囲まれ、切妻造四脚門の山門をくぐると正面に大きな入母屋造の本堂があります。

九州八十八ヶ所百八霊場 第三十二番札所 万寿山 光明寺

御本尊は阿弥陀如来立像と脇侍に観音菩薩勢至菩薩といういわゆる阿弥陀三尊です。

また脇の護摩壇には不動尊が祀られていて九州三十六不動霊場第十一番札所ともなっています。

本堂の右脇には淡島大明神をお祀りするお堂もあります。
光明寺には江戸時代に勧請された淡島大明神です。
その淡島大明神は和歌山県にある淡島神社を本社としていますが、お祀りしてある「淡島」は住吉大神の妃でしたが「下」の病にかかり夫婦の道に障りがあるとして堺から流されて、現在ご本社のある和歌山県加太に3月3日に流れ着きました
流れ着いた加太で「淡島」は自分と同じ病の人を治すと誓願を立てたことにより、以来婦人病に霊験あらたかな神様として信仰を集めています。
光明寺でもその流れ着いたとされる日にちなんで、毎年3月3日には、大般若転読法要、柴燈大護摩、火渡りの行がおこなわれています。

本堂でのお参りを済ませた後、境内の壁際に目を留めると、細長いお堂には西国三十三か所観音霊場の石仏が鎮座されていました。

南無大師遍照金剛

九州三十六不動霊場とは、九州全域に点在している番外2ヶ所を加えた、全38ヶ所の札所から成る全行程約1530kmにも及ぶ不動尊霊場です。

巡拝者はお不動さまを拝むことによって、1.貧瞋痴の三毒を離れる。2.福智円満。3.子孫繁栄。4.諸願成就。5.現当二世安楽。6.先祖の供養の六つの徳をいただくことができます。
その利益効能は絶大で、弘法大師の守護仏でもありました。

九州八十八ヶ所百八霊場 第三十三番札所 吉祥山 永願寺

次回は第三十三番札所「吉祥山 永願寺」をお伝えしていきます。

願ねがわくは
この功徳くどくをもってあまねく一切いっさいに及およぼし
われらと衆生しゅうじょうと
みなともに仏道ぶつどうを成じょうぜんことを 合掌

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