九州西国霊場 第十五番札所 宇今(うこん)山 普光寺

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九州西国霊場 第十五番札所 宇今(うこん)山 普光寺 九州西国霊場
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九州西国霊場 第十五番札所 宇今(うこん)山 普光寺

普光寺は、弘仁14年(823年)、三毛中納言 源師親(みなもとのもろちか)が千手観音の霊示により一宇を建立したのにはじまると伝えられ、三院七坊の末寺を擁する、大寺として発展したとされています。

九州西国霊場~より

『概略』

宇今(うこん)山 普光寺
(御朱印)

創建

弘仁14年(823年)
開基 三毛(みけ)中納言 源 師親(みなもとのもろちか)
開山 慈覚大師 円仁

宗派

天台宗 山門派

ご本尊

千手観世音菩薩像(九州西国霊場ご本尊)

ご真言

おん ばざら だるま きりく (天台宗系)

十一面千手観世音菩薩について

別名 千手千眼観自在菩薩(せんじゅせんげんかんじざいぼさつ)とも言い、生きとし生けるものすべてを漏らさず救う、大いなる慈悲を表現する菩薩です。千の手と手のひらの千の眼によってどんな願いも見落とさず、悩み苦しむ衆生を見つけては手を差し伸べる広大無限な功徳と慈悲から「大悲観音」、または観音の王を意味する「蓮華王」とも称されます。
蓮華王とは泰三界曼荼羅で観音が配される場所である「蓮華部」の中で、最高位となっています。
阿修羅や金剛力士などが属する二十八部衆を配下とします。

千手観音は、人々を救うための手が多い分、得られるご利益も多いと考えられています。そのため、災難除け、病気平癒などあらゆる現世利益を網羅しているのです。
そのご利益です。
厄災厄除・苦難除去・病魔退散・悪疫守護・諸願成就・平穏無事・頭痛平癒・病気(難病)平癒・奇病快癒

さらに、夫婦円満や恋愛成就、安産や子宝成就にも功徳があるとされていて、後生善処(ごしょうぜんしょと読みます。亡くなったあと来世でも幸せに過ごせることを言います。)などのご利益もあります。

また六観音(聖観音・千手観音・馬頭観音・十一面観音・准胝観音または不空羂索観音・如意輪観音)の一つに数えられ餓鬼道に迷う人々を救うといわれています。
餓鬼道に生まれ変わる人は、生前に自己中心的な生活を送っていたり、欲望のままに生きていた人々で、ノドの渇きも潤せず、食べることが叶わないため渇きと餓えに苦しみ続けると言われています。

住所・連絡先

福岡県大牟田市今山2538 TEL 0944-54-8403
(地図)

アクセス

JR鹿児島本線 大牟田駅・西鉄天神大牟田線 大牟田駅より西鉄バス大牟田普光寺ゆき(10系統)に乗車し終点下車、徒歩8分
九州自動車道南関インターチェンジより10㎞
駐車場有り

ご詠歌

かげくらき こころのやみの むつのみち あまねくてらす のりのともしび

天然記念物の臥龍梅が迎える 第十五番札所 宇今山 普光寺

普光寺は天台宗の古い寺で、大牟田市郊外三池山(388m)の中腹にあります。

寺伝によると、普光寺の創建は弘仁14年(823年)。
三池氏の祖である三毛(みけ)中納言・源師親(みなもとのもろちか)が、千手観音菩薩の霊示により開基し、寺としての開山は慈覚大師・円仁と伝えられています。
承和5年(838年)に慈覚大師・円仁が入唐求法のため大宰府の観世音寺に滞在していることを聞いた師親は、礼を尽くして円仁を迎えて当寺の開山法印になってもらったとそうです。
その後、三院七坊の末寺を擁する、大寺として発展したとされています。

しかし、建久3年(1192年)の三池山大地震による土石流や戦国時代の度重なる戦火により多くの建造物や寺宝が失われてしまいましたが、当地を納めた三池、田中、立花の歴代藩主の外護や信者の人たちに支えられ、今日にその法灯を伝えています。

九州西国霊場 第十五番札所 宇今(うこん)山 普光寺

現在、仮本堂となっている江戸時代初期に建てられた「観音堂」内陣に伝教大師・最澄の作といわれる本尊の千手観世音菩薩が脇侍の不動明王と毘沙門天とともに奉安され、外陣に木像の開山上人と慈覚大師の坐像、木像薬師如来坐像も安置されています。

境内には、観音堂(本堂)をはじめとし、十三仏堂鐘楼不動堂癜(なまず)堂などがあります。
また県指定文化財となっている不動明王板碑一乗経供養板碑などの石造物も見逃せません。

さらに観音堂の脇より少し上った所に普光寺並定林寺石仏群があり、もと三池宮登山道に沿った広い地域にあったものを拾収して復元配列したものだそうです。
総数36基、うち五輪塔90基、宝塔2基、宝篋印塔3基、如来坐像1基からなっています。
その五輪塔には、薩摩率師教弁、賢勝律師、澄泉律師、教恵律師など、仏法の戒律を指導する僧や比丘尼、禅尼、禅門など修行する出家信者の塔、在家信者の塔、逆修供養塔があり、普光寺周辺には天台宗、禅宗を修行する出家信者、在家信者の修行道場があり、修行する僧尼だちの生活規定や教義を指導する律師がいて、三池山一帯が修行の場であったことを窺わせます。

南無根本伝教大師福聚金剛

普光寺の境内にある樹齢450年といわれる八重の紅梅「臥竜梅」は見事です。
県の天然記念物に指定され、全国的にも有名で、観光客で賑わいます。
境内の案内板によれば、南側にある親株から北に向かう伏状枝が地面に触れたところで発根し、新たな株を作りつつ伸びて、24mもの長さになっています。


あたかも、龍が地を這う姿に似ていることから、「臥龍梅」と言われているそうです。
その臥龍梅の時期以外にも1月はロウバイ(蝋梅)、4月はシダレザクラ、5月はナンジャモンジャ・シャクナゲ・ツツジ、 6月はアジサイ、 9月はヒガンバナ、 10月はツワブキ、 11月はドウダンツツジ・モミジ・イチョウなどを一年を通じて花々楽しむことができます。

九州西国霊場 第十六番札所 本吉山 清水(きよみず)寺

次回は九州西国霊場「第十六番札所 本吉山 清水寺」をお伝えしていきます。

願ねがわくは
この功徳くどくをもってあまねく一切いっさいに及およぼし
われらと衆生しゅうじょうと
みなともに仏道ぶつどうを成じょうぜんことを 合掌

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