九州西国霊場 第八番札所 飛来山 霊山寺

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九州西国霊場 第八番札所 飛来山 霊山(りょうぜん)寺 九州西国霊場
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霊山(標高610m)の中腹に霊山寺が建っています。山麓の稙田荘(わさだしょう)の豪族七郎祐世がこの山中で十一面観音を感得し、草庵を建てたのが始まりと言われています。その後、来朝したインド僧・那伽法師がインドの霊鷲山にそっくりなのに驚き、「まるで日本に飛んで来たのではあるまいか」と伽藍を造営し「飛来山」の山号をつけたと伝えられています。
九州西国霊場~より

『概略』

飛来山 霊山(りょうぜん)寺
(御朱印)

創建

和銅元年(708年) 稙田荘の豪族・七郎祐世
その後        インドの僧・那伽法師

宗派

天台宗

ご本尊

十一面観世音菩薩立像(九州西国霊場ご本尊)

ご真言

おん ろけい じんばら きりく そわか

十一面観音菩薩について

密教の世界で言われる「六観音(あるいは七観音)」のうちの変化のひとつの観音菩薩様です。
十一面観音菩薩さまは、苦しんでいる人をすぐに見つけるために頭の上に11の顔を持ち、全方向を見守ってくれています。
様々な災難、病気治癒、財福授与、勝利を得るなどの10種類の現世利益があり、延命、地獄に落ちない、極楽浄土に行けるなどの四種果報のご利益があるとされていて、千手観音菩薩と並んで人気の高い観音様で、阿修羅(修羅)道に迷う人々を救ってくださいます
ちなみに頭上面のうち前3面を菩薩面、左3面を瞋怒面、右3面を狗牙上出面、後1面を大笑面が一般的には配されていて、それに頂上の仏面を合わせて11面です。
中には本体のお顔とあわせて11面となる場合もありますし、11面の配列が異なる場合もあります。
その面の中の「大笑面」ですが、悪行を大笑いして改心させ、善の道に向かわせるといわれています。

住所・連絡先

大分県大分市大字岡川855番地 TEL 097-541-0162
(地図)

アクセス

西鉄大牟田線三沢駅下車、徒歩15分
大分自動車道筑後小郡インターから北へ、千潟か四三島交差点を左折し宝満川を渡って寺標にしたがう
門前に駐車場あり

ご詠歌

えにしあれ わしのみやまに あとたれて まよいをてらす みちぞおしゆる

伝教大師最澄や弘法大師空海も来錫した霊山(第八番札所 飛来山 霊山寺)

九州西国霊場 第八番札所 飛来山 霊山(りょうぜん)寺

大分市街地より国道10号線の大道陸橋北から大道トンネルを抜け、府内大橋を渡り、ホワイトロードより左折し、田尻入口より登山すると霊山寺があります。
大分駅から車ですぐですが、まるで秘境といった趣です。
西域の霊鷲山が、この地に飛来したと伝えられ、法灯1300年という比叡山延暦寺よりも創建が古いという歴史を持つ古刹です。

霊山(標高610m)山麓の登山口から舗装された参道を登って行くと、その中腹に霊山寺が建っている。
寺伝によれば、和銅元年(708年)、山麓の稙田荘の豪族祐世がこの山中で十一面観音を感得し、草庵を建てたのがはじまりといわれています。
その後、インド僧・那伽(なが)法師が来朝された際、この山の姿が、お釈迦様が法華経や阿弥陀経を説かれたインドの霊鷲山にそっくりなのに驚き、「霊鷲山の一角が日本に飛んで来たのではあるまいか」と、その奇しき因縁から伽藍を造営、「飛来山」の山号をつけたと伝えられています。
また、ここには、天台宗開祖である伝教大師最澄や、弘法大師空海、慈覚大師円仁なども来錫され、弘仁5年(814年)に伝教大師が再錫されたのを縁として、天台宗寺院となったそうです。

文永5年(1268年)の火災で堂塔伽藍は焼失してしまいましたが、ご本尊は難をのがれ、大友氏の外護げご・仏道修行の人に、修行に必要なものを供給して身心に安穏を与えること)もあって、その後一大祈願道場として復興しました。
また、天正年間(1586年~7年)の大友氏と島津氏の豊薩の乱で観音堂を残すのみとなっりましたが、元和9年(1623年)越前より豊後に流された松永忠直(一伯 徳川家康の孫)により、本堂、山門、鐘楼が再建されました。

松平忠直は大阪夏の陣で素晴らしい働きをしながらも所領の加増が無かったことに不満を抱き、乱行を繰り返したため、幕府より改易され、徳川家康の孫でありながら、豊後の地へ流されたそうです。
しかしながら霊山寺の復興に尽くされたため、現在でも寺紋は徳川家の家紋である「三つ葉葵」です。

その山門は大分市指定「重要文化財」で、人間の心の中に棲む「鬼」を退治して清い心でお参りをするため、羅生門鬼退治大江山酒呑童子退治など伝説の名場面のレリーフ12枚がはめ込まれています。

本堂内陣には厨子に納められたご本尊のお前立の十一面観音菩薩が安置されています。
秘仏のご本尊は現在は庫裡の方に移されていて、ご縁日の毎月旧暦17日に御開帳されています。

その本堂では座禅会と写経会(毎月第3土曜日)の他、定期的に瞑想会や奉納演奏会が開催され人々が自由に集まる場所となっています。

南無根本伝教大師福聚金剛

本堂の近くにある「弁天池」は金運の弁財天が祀られています。
その弁天池のまわりは、大分市指定天然記念物「オオイタサンショウウオ」(大分地区の在来種)の生息地として指定されています。

次回は九州西国霊場「第九番札所 高城山 吉祥院・観音院」をお伝えしていきます。

九州西国霊場 第九番札所 高城山 吉祥院 観音院

願ねがわくは
この功徳くどくをもってあまねく一切いっさいに及およぼし
われらと衆生しゅうじょうと
みなともに仏道ぶつどうを成じょうぜんことを 合掌

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