九州八十八ヶ所百八霊場第四十八番札所 音泉山 薩摩薬師寺

スポンサーリンク
九州八十八ヶ所百八霊場第四十八番札所 音泉山 薩摩 薬師寺 九州八十八ヶ所百八霊場
スポンサーリンク
九州八十八ヶ所百八霊場第四十八番札所 音泉山 薩摩 薬師寺

当寺は新寺建立したまだ新しい寺ですが、のどかな環境に囲まれ、故郷に里帰りしたような気軽さでお参りができます。 本尊薬師如来立像は、御身の丈十三センチと小さいながらも、高野山よりお迎えした大変霊験あらたかな仏さまで、脇仏の不動明王は、男女の縁はもとより、あらゆる不思議な縁結びの仏様です。
境内奥の八幡神と御神木の梛の木は永年に渡り、世の平和を見守っています。

九州八十八か所百八霊場~九州を周る「心巡り」の旅~より

『概略』

音泉山 薩摩薬師寺
(御朱印)

宗派

高野山真言宗

別称

薬師温泉

ご本尊

薬師如来立像
(お御影)

ご真言

おん ころころせんだり まとうぎ そわか

薬師如来について

薬師如来は、正しくは薬師瑠璃光如来といいます。
日光菩薩月光菩薩の脇士と十二神将が一体となって、仏の心「慈悲の心」を表しています。即ち、私たちの病気の苦しみを除いて、安楽を与えてくださる現世利益の「ほとけさま」です。
薬師如来が説法している時の手の相(印相)、右手は施無畏印で、わたしたちの色々と恐れおじる心を取り除き、安心させてくれるサインです。
痛いところへすぐ右手が飛びます。これが「手当て」です。手の指には仏の世界でいう仏の名があり、薬指が薬師如来です。施無畏印で薬指を少し前に出すことで薬師如来を象徴しています。

左手は与願印で、平安時代以後の薬師如来は薬壷を持っておられます。
くすりつぼは、人の寿命を延ばす意味をもつといいます。現代人は薬によって病気が治ると頼りがちでありますが、病気を治すのは、私たちの体内にある自然治癒力が最も肝心です。

医療や薬品は、その自然治癒力を高め、援助する役割を持つのであります。「病は気から」とも言います。この治すという「気力」をバックアップしてくれるのが、お薬師様です。
私たちが病気になったとき、その病気をおそれず、医薬の効果を高め、強く生きる力を与えてくださいます。その上に、「病気の善用」も諭していただけるのです。
お薬師信仰を深めることは、健康で、病気を苦にすることなく、安楽で、幸せな日暮らしが期待できるのです。

病の苦しみを救う、寿命を延ばす、そして貧困からの救済等々十二の大願を成就して如来となられた仏様です。
尊像は病気平癒や延命を願って作られたものが多いため、左手に万病に効く薬が入っている薬壺(やっこ)をお持ちになっておられます。
また薬師像は三尊像としてお祀りされることも多く、その際は脇侍に日光・月光菩薩の二尊が従われることが多く、さらに眷属として十二神将も従えることもあります。

薬師の十二大願

1.光明普照
 自らの光で三千世界を照らし、あまねく衆生を悟りに導く
2.随意成弁
 仏教七宝の一つである瑠璃の光を通じて仏性を目覚めさせる
3.施無尽物
 仏性を持つ者たちが悟りを得るために欲する、あらゆる物品を施す
4.安立大乗 
世の外道を正し、衆生を仏道へと導く
5.具戒清浄
 戒律を破ってしまった者をも戒律を守れるよう援ける
6.諸根具足
 生まれつきの障碍・病気・身体的苦痛を癒やす
7.除病安楽 
困窮や苦悩を除き払えるよう援ける
8.転女得仏
 成仏するために男性への転生を望む女性を援ける
9.安立正見
 一切の精神的苦痛や煩悩を浄化できるよう援ける
10.苦悩解脱
 重圧に苦しむ衆生が解き放たれるべく援ける
11.飽食安楽
 著しい餓えと渇きに晒された衆生の苦しみを取り除く
12.美衣満足
 困窮して寒さや虫刺されに悩まされる衆生に衣類を施す

日光菩薩・月光菩薩

この二尊はそれぞれ単独で信仰されることはありません。
常にペアで薬師如来様をお護りされています。
通常は向かって右側(左脇侍)に日光菩薩、左側(右脇侍)に月光菩薩が左右対称に配されています。
日光菩薩は日光遍照とも呼ばれ、千の光を放ち天下を照らし衆生を救済するお役目があります。一方、月光菩薩は月光遍照とも呼ばれ、薬師如来様の正しい教えを守るお役目を担っておられます。
両菩薩ともに衆生の不安や苦しみ、謂わば闇の部分に昼夜分かたずひかりを照らしておられます。
その象徴として、日光菩薩は太陽・日輪、月光菩薩は月・月輪を手にした蓮華にのせられています。(宝冠に太陽、月を表す場合もあります)

日光菩薩 ご真言

おん そりや はらばや そわか

月光菩薩 ご真言

おん せんだら はらばや そわか

十二神将

薬師如来様に付き従うガードマン的存在の一団です。
と同時に経典を読む人々を守るという役目も担われています。
十二神将は、薬師如来の十二の大願に応じて、それぞれが昼夜の十二の時、十二の月、または十二の方角を守るといわれています。そのため中国や日本では十二支が充てられています。その割り当てには解釈の違いによって諸説ありますのでご注意ください。当ブログでは混乱を避ける意味から、敢えて割り当てられた十二支は省かせていただいております。
平安時代以降、頭上に標識として干支の動物を掲げている像が一般化され、十二支の彫刻がないものを古様、あるものを新様といいます。
さらに十二神将にはそれぞれ如来・菩薩・明王が化身されたものと言われています。

十二神将とご真言

宮毘羅大将(金毘羅童子、宮比羅)(くびらたいしょう)
   おん くびら そわか

伐折羅大将(金剛力士)(ばさらたいしょう)
   おん ばさら そわか

迷企羅大将(めきらたいしょう)
   おん めきら そわか

安底羅大将(あんてらたいしょう)
   おん あんて(ち)ら そわか

頞儞羅大将(あんにらたいしょう)
   おん あんにら そわか

珊底羅大将(さんていらたいしょう)
   おん さんて(ち)ら そわか

因達羅大将(帝釈天)(いんだらたいしょう)
   おん いんだら そわか

波夷羅大将 (はいらたいしょう)
   おん はいら そわか

摩虎羅大将(まこらたいしょう)
   おん まこら そわか

真達羅大将(緊那羅)(しんだらたいしょう)
   おん しんだら そわか

招杜羅大将 (しょうとらたいしょう)
   おん しょうとら そわか

毘羯羅大将(びからたいしょう)
   おん びから そわか

H3 住所・連絡先

鹿児島県薩摩郡さつま町求名(ぐみょう)570 TEL 0996-57-1282
(地図)

アクセス

宮之城旧駅跡よりタクシーで15分。
国道267号線を大口氏に向けて北へ、 鶴田中学校、鶴田小学校を過ぎて約2キロ、寺標あり。 目印は手前に見える赤い鳥居と建物の温泉マーク。
境内に駐車場有り

ご詠歌

癒えざるも 導きませと 参り行く 祈りの道に 瑠璃のともしび

温泉施設を有するお寺(第四十八番 薩摩薬師寺)

薩摩半島北部に位置する薩摩薬師寺は新寺建立したまだ新しいお寺です。

まずは到着して目に飛び込んでくる鳥居をくぐり石段を上ると、鎌倉の鶴岡八幡宮の御分身を祀った鎮守の八幡神社にお参りします。

次に緩やかな勾配の宝形造の本堂に参拝します。

九州八十八ヶ所百八霊場第四十八番札所 音泉山 薩摩 薬師寺

ご本尊薬師如来立像は高さ13センチと小さいながらも高野山からお迎えした霊験あらたかな薬師如来様です。

また脇仏の不動明王様は鎌倉の北条泰時開山の成就院からお迎えした、男女の縁はもとより、あらゆる不思議な縁結びにご利益のある仏様だそうです。

さてここ薩摩薬師寺の一番の特色は境内に温泉入浴施設を有していることでしょう。

もちろんアルカリ性単純泉の天念温泉であり、薬師温泉として地元の人々や仕事帰りの方たちの語らいと癒しの場として毎日多くの方で賑わっているそうです。

南無大師遍照金剛

お寺の方より、参拝の順路としては、まず鎮守八幡神社にお参りし、次に本堂の諸尊を拝し、時間に余裕があれば、境内にある温泉に入ることをおすすめしますとのこと。
しばし巡拝の足を止め神仏の御加護のもと温泉を楽しんで頂きたいとも。

九州八十八ヶ所百八霊場第五十番札所 伝法山 願成寺

次回は九州八十八ヶ所百八霊場第四十九番札所「大師山 剣山寺」をお伝えします。

願ねがわくは
この功徳くどくをもってあまねく一切いっさいに及およぼし
われらと衆生しゅうじょうと
みなともに仏道ぶつどうを成じょうぜんことを 合掌

コメント