
今日3月16日は国立公園指定記念日です。
1934年(昭和9年)のこの日、内務省が、瀬戸内海・雲仙・霧島の3ヵ所を最初の国立公園に指定し、日本初の「国立公園」(national park)が誕生しました。

これよりも前の1932年(昭和7年)10月8日、前年1931年(昭和6年)に施行された「国立公園法」(自然公園法の前身)に基づいて、国定公園12ヵ所(大雪山・阿寒・十和田・日光・富士・日本アルプス・吉野熊野・瀬戸内海・伯耆大山・阿蘇・雲仙・霧島)が選定されていて、10月8日は「国立公園制定記念日」となっています。
また、「自然公園法」は1957年(昭和32年)7月21日に制定され、7月21日は「自然公園の日」となっています。

国立公園は日本の風景を代表する自然の景勝地であり、自然公園法に基づき、その保護と利用促進を図る目的で環境大臣が指定した自然公園です。
国定公園が都道府県に管理を委託されるのに対し、国立公園は国(環境省)自らが管理しています。
日本の国立公園の面積の約60%が国有地です。

戦前には台湾と朝鮮でも国立公園指定の動きがあり、実際、1937年(昭和12年)12月27日に台湾の大屯山・新高阿里山・次高タロコの3ヵ所が日本の国立公園に設定された経緯があります。

2017年(平成29年)3月7日までに37ヵ所の国立公園が指定されてきましたが、前述の台湾の3ヵ所の国立公園が日本の統治権放棄により消滅しましたので、2020年(令和2年)3月時点では34ヵ所の国立公園が存在しています。
国立公園の区分
日本の国立公園・国定公園の保護区分は、大きく分けて次の4つがあります。
普通地域
制限は最小限だが、基準を超える工作物の建築、広告の表示、土石の採取、地形の変更などには届出が必要
特別地域
風致の維持に重要な地域が指定され、その重要度により第一種から第三種までの区分があります
普通地域で届出が必要な行為に加え、指定動植物の採取や損傷、建物の色の塗り替え、自動車や船の乗り入れなどに「許可」が必要になります
また、本来の生息地でない動物を放すこと、本来の生育地でない植物を植栽したり、その種子をまくことにも「許可」が必要になります
特別保護地区
特別地域内でも特に重要な地区
特別地域で許可が必要な行為に加え、全ての動植物の捕獲・採取(落葉や枯れ枝も含む)・損傷をすること、植物を植栽し、またはその種子をまくこと、動物を放つこと(家畜の放牧を含む)、焚き火をすることなどに許可が必要となります
ただし学術目的や地域住民の生活に必要な行為・各自治体等でなければ許可されることはほとんどなく、実質的に「禁止」と考えてよいです
また、これらの地域では盗掘を防ぐため、植生などのマップの公開を禁止される場合や立ち入りが一部禁止される場合もあります
なお、一部の国立公園の特別保護地区の中には、宮内庁や神宮司庁が管理する区域があります
これらの多くは神域として管理されているものであり、管理者もしくはそれらから委託された者以外の入山などの立ち入り行為自体が禁止され、事実上、環境省の特別保護地区同様の規制が加えられています
また、その周囲のほとんどは環境省によって保護されています
海域公園地区
海域の地形や生物の景観の優れた場所で、指定動植物の採取、地形変更、汚水の排出などに許可が必要
1970年の自然公園法改正で「海中公園」として誕生し、2010年に「海域公園」と改正されました
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