
今日1月29日は昭和基地開設記念日です。
1957年(昭和32年)のこの日、南極大陸に「昭和基地」が開設されました。
地球科学者・永田武(ながた たけし)隊長の指揮する南極観測隊が東オングル島に上陸し、本格的な観測が始まりました。

この年から翌年にかけては「国際地球観測年」で、日本を始め12ヵ国による観測網が敷かれました。
そして、タロとジロの生存(記念日「タロとジロの日」)、宗谷が氷に閉じ込められてソ連船に助けられるなど、多くのドラマがありました。
「昭和基地」の名称は建設された時代の元号「昭和」に因んでいます。

昭和基地は天体・気象・地球科学・生物学の観測を行う施設です。
施設は大小60以上の棟からなり、3階建ての管理棟のほか、基本観測棟、自然エネルギー棟、居住棟、発電棟、汚水処理棟、観測棟、情報処理棟、衛星受信棟、焼却炉棟、電離層棟があります。

このほかの施設として、大型大気レーダー、HF/MF観測アンテナ、機械建築倉庫、車庫、短波無線通信アンテナ、大型多目的アンテナ、インテルサット通信アンテナ、燃料タンク、ヘリポート、貯水用の荒金ダム、太陽光発電施設、風力発電施設、非常倉庫、廃棄物倉庫、夏期宿舎などがあります。
医務室、厨房、食堂、通信室、公衆電話室、ネットスタジオ、庶務室、娯楽室などは管理棟内にあります。
主要な建物はシェルタータイプの連絡通路で接続され、荒天時でも移動できるよう配慮されていますが、夏季滞在隊員用の宿舎などには連絡通路がないために、ブリザード発生時は建物から出入りできなくなります。そのため連絡通路で接続されていない建物には、簡易トイレや非常用食料の備蓄など、数日間そこで過ごせるような対策が講じられています。
ただ、基地内に購買店などは無く、生活必需品を任意に調達する事はできません。
食事や飲み物は観測隊予算の中に組み込まれており、アルコール類を含めて追加負担はなく無料です。
変化に乏しくマンネリ化しやすい基地生活のため、お花見会(基地内に手作りの桜の造花を飾る)やフルコースディナー会など、趣向を凝らしたイベントも開催されています。
そして生鮮食料品や冷凍食料品は、調理担当の隊員が賞味・消費期限や鮮度を管理・運用していますが、間食類(チョコレートなど)の賞味期限管理はやや大雑把であり、賞味期限が過ぎた間食類が、隊員の自己責任で配布されることもあるそうです。

南極には昭和基地のほかに、日本の観測基地として、昭和基地のほかに、みずほ基地、あすか基地、ドームふじ基地があります。
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