
今日1月28日は宇宙からの警告の日です。
1986年(昭和61年)のこの日、アメリカのスペースシャトル「チャレンジャー号」が打ち上げ後、わずか74秒で大爆発を起こし、乗務員7人全員が死亡する惨事となりました。
事故の原因は右側の固体燃料補助ロケットの接続部分で、密閉用Oリングが発進時に破損したことから機体の分解が始まったことによるものです。
世界中にテレビ中継されている最中の出来事でした。

その後、小説家・大江健三郎(おおえ けんざぶろう)が著書「治療塔」の中で、この事件を「宇宙意思からの警告」と表現したことからこの日が生まれました。
「治療塔」はSF小説で、21世紀前半、度重なる核戦争によって汚染された地球から、「選ばれた者」百万人が、大多数の人々を地球に置き去りにして、スターシップ公社のロケットに乗って、「新しい地球」へと移住する物語です。

著者、大江健三郎は東京大学文学部仏文科卒で、大学在学中に学生作家としてデビューして、1958年(昭和33年)短編小説「飼育」により当時最年少の23歳で芥川賞を受賞しました。
1967年(昭和42年)、代表作とされる『万延元年のフットボール』により歴代最年少で谷崎潤一郎賞を受賞。
1994年(平成6年)、日本文学史上において、川端康成に続いて2人目のノーベル文学賞受賞者となりました。
チャレンジャー号爆発事故

1986年1月28日、アメリカ合衆国のスペースシャトル「チャレンジャー」が打ち上げから73秒後に分解し、7名の乗組員が全員死亡した事故です。
同オービタ(軌道船)は北米東部標準時午前11時39分にアメリカ合衆国フロリダ州中部沖の大西洋上で空中分解しました。
この打ち上げはチャレンジャーにとって10回目の飛行でした。

機体全体の分解は、右側固体燃料補助ロケット(SRB)の密閉用Oリングが発進時に破損したことから始まりました。
Oリングの破損によって、それが密閉していたSRB接続部から漏洩が生じ、固体ロケットエンジンが発生する高温・高圧の燃焼ガスが噴き出して隣接するSRB接続部材と外部燃料タンクに悪影響を与えました。この結果、右側SRBの尾部接続部分が分離すると共に外部燃料タンクの構造破壊が生じました。
空気力学的な負荷によりオービタは一瞬の内に破壊されてしまいました。

乗員区画やその他多数の機体の破片は、長期にわたる捜索・回収作業によって海底から回収されました。
乗員が正確にいつ死亡したのかは不明ですが、何人かは最初の機体分解直後にも生存していたことが判っています。
しかしながらシャトルには脱出装置が装備されておらず、乗員区画が海面に激突した際の衝撃から生き延びた飛行士はいませんでした。
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