
今日12月15日は「古都京都の文化財」世界文化遺産登録が決定した日です。
「古都京都の文化財」が、1993年10月に日本政府から世界遺産委員会に登録推薦され、約1年間に及ぶ専門的な審査を経て、平安建都11200年を迎えた1994年12月にタイ(プーケット市)で開催された第18回世界遺産委員会において、この日に登録決定されました。
正式登録は、同12月17日。正式名称は「古都京都の文化財(京都市、宇治市、大津市)」で、3市の名前が含まれていて、文化庁の表記や日本ユネスコ協会連盟の表記はそのようになっています。

京都は8世紀から17世紀の間、宗教・非宗教建築と庭園設計の進化にとって主要中心地でした。
そのように、京都は日本の文化的伝統の創出において決定的な役割を果たし、特に庭園の場合において、それは19世紀以降、世界の他の地域において意義深い影響を与えました。
また、京都の現存文化財における建築と庭園設計の集積は前近代における日本の物質文化のこの側面に関する最高の表現であることから、世界遺産登録基準のうち、「ある期間を通じてまたはある文化圏において、建築、技術、記念碑的芸術、都市計画、景観デザインの発展に関し、人類の価値の重要な交流を示すもの」そして「人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式、建築物群、技術の集積または景観の優れた例」という世界遺産登録基準の条件を満たしているため登録されました。

そして、京都は794年の平安遷都から約1000年にわたり日本の都として栄え、貴族、武士、王朝が築いた数多くの伝統的な文化財を残してきました。
平等院などには平安時代の貴族文化、高山寺などには鎌倉時代の武家文化、慈照寺(銀閣)などには、公家文化と武家文化の融合した「わび」「さび」などの室町文化が、本願寺などには華麗な桃山文化がそれぞれみられます。世界遺産には、これらの中から16社寺と1城が登録されています。

ただ、世界文化遺産登録後、マンション建設やオーバーツーリズムなどによる周辺環境や景観の悪化が進行しつつあるため、京都市を中心に遺産の追加登録計画が立ち上がっています。
と同時に景観保護対策として、都市計画の変更や条例の制定・改正、無電柱化、森林の整備なども行われています。

このため、京都市は古都保存法対象地の嵯峨野・嵐山一帯、東山一帯、郊外の大原・八瀬地区、鞍馬・貴船地区の追加登録を目指しているほか、産業遺産としては琵琶湖疏水、また「保津川の世界遺産登録をめざす会」は保津峡を推挙しています。さらに、知恩院、大徳寺および禅林寺(永観堂)は、追加申請に向けて会合を行なっています。
さらに、京都市はと会談し、妙心寺や南禅寺、東本願寺、桂離宮などを含める約10か所の追加登録を目標とする方針も明らかにしています。
ただ、宮内庁が管理している皇室ゆかりの京都御所、桂離宮、修学院離宮、御陵のある月輪陵泉涌寺などは、法整備などで難しい課題もあります。
構成資産17件
賀茂別雷神社(上賀茂神社)
賀茂御祖神社(下鴨神社)
教王護国寺(東寺)
清水寺(現在は分離している地主神社を含む)
延暦寺(広範囲に及ぶ境内地(比叡山)の全てを含む)
醍醐寺(院家(塔頭)寺院の三宝院を含む)
仁和寺(別称・御室御所)
平等院(京都府宇治市)
宇治上神社(京都府宇治市)
高山寺
西芳寺(別称・苔寺)
天龍寺(◎)
鹿苑寺(相国寺塔頭、別称・金閣寺)
慈照寺(相国寺塔頭、別称・銀閣寺)
龍安寺(妙心寺塔頭、石庭が世界的に有名)
西本願寺(本願寺)
二条城(正式名称:元離宮二条城)
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