
今日11月29日は「議会開設記念日」です。
1890年(明治23年)のこの日、前年の大日本帝国憲法発布を受けて初の「帝国議会(ていこくぎかい)」が開かれました。
帝国議会は、帝国憲法により設置された日本の議会です。
構成は衆議院と貴族院の二院制でした。

衆議院は選挙により代表を選出しました。
議会開設当初より1925年(大正14)年の普通選挙法制定までは納税額による制限選挙、以後は普通選挙でしたが、戦前は一貫して男子のみでした。
貴族院は皇族男子(親王及び王)、華族議員、勅選議員、多額納税者、帝国学士院選出議員並びに朝鮮及び台湾在住者議員で構成され、解散はありませんでした。
ただし、皇族が議会に出席したことはありませんでした。
議院相互の関係などは、議院法によって決められていて、両院は、衆議院の予算先議権を除き、対等の権限を有していました。
貴族院と衆議院を併せて、「貴衆両院」、「貴衆二院」と略称され、議会では国民から選出された議員を「代議士」、両院を以て議決することから帝国議会制度は「代議制度」とも称され、「議会」もしくは「国会」と略称されました。

帝国議会は毎年1回召集するのを常則とされ、これを通常会といい、毎年11月、または12月、東京に召集されます。会期は3ヶ月でしたが、勅命によって延長されることもありました。
議会の召集、開会、閉会、停会、衆議院解散は天皇大権に属していました。
召集は各議員に対して一定の期日に特定の場所に集会を命じる行為で、勅命によってのみなされます。
帝国議会はみずから集会する権、または召集を請求する権を有していませんでした。

帝国議会他に、臨時会が召集することもあります。
開会は、議会が召集され、議長、副議長および議員の部属が定り、両議院が成立した後に詔書で期日を定めてなされます。
閉会は、会期が終了し、したがって議会の職務行為が終了したことを公に宣示する行為であり、閉会するという勅語が出されます。
議会の開閉は、両院に対して同時に行われます。
また、議会の停会は会期中、一時、議会の職務行動の停止を命じる行為で、15日以内、一定の期間を定め、詔書で命じます。
衆議院が解散されると、貴族院も停会扱いとされ、「解散から5ヶ月以内に衆議院選挙を行って新議会を召集しなければならない」とされていました。
そして、議会の休会は各議院がその会議を休止することで、会期中、休会するのは各院の随意でした。

帝国議会は、1890年開会の第1回議会から、1947年(昭和22年)閉会の第92回議会まで行われ、同年5月3日の帝国憲法の失効及び日本国憲法の施行により、国会を立法府とし、下院には衆議院が維持され、上院には貴族院に代わって参議院が設置されました。
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