
今日11月27日は「ノーベル賞制定記念日」です。
1895年(明治28年)のこの日、スウェーデンの化学者アルフレッド・ノーベルが、自らの発明したダイナマイトで得た富を人類に貢献した人に与えたいという遺言を書き署名しました。

その遺言書には、「私のすべての換金可能な財は、次の方法で処理されなくてはならない。私の遺言執行者が安全な有価証券に投資し継続される基金を設立し、その毎年の利子について、前年に人類のために最大たる貢献をした人々に分配されるものとする」と書かれていました。

ノーベルの死後、周辺の人々はその遺言に疑いを持ったため、1897年4月26日まで遺言書はノルウェー国会において承認されませんでした。
その後、彼の遺志を継ぐためにラグナル・ソールマンとルドルフ・リリェクイストによりノーベル財団が設立され、1901年(明治34年)のこの日、ノーベル賞の第1回受賞式が行われました。
そしてノーベルの遺産を元にした基金168万ポンドの利子が、物理学・化学・生理学医学・文学・平和事業の5分野に貢献した人に贈られています。
その後、経済学が追加され、「5分野+1分野」となった。

現在では、毎年ノーベルの命日の12月10日に、平和賞はノルウェーの首都オスロで、その他の賞はスウェーデンの首都ストックホルムで授賞式が行われています。
受賞者には、賞金の小切手・賞状・メダルがそれぞれ贈られます。

その経済学賞だけはノーベルの遺言にはなく、スウェーデン国立銀行の設立300周年祝賀の一環としてノーベルの死後70年後に当たる1968年(昭和43年)に設立され、翌1969年(昭和44年)から授与されている。
そして経済学賞のみ、その原資はノーベルの遺産ではなく、スウェーデン国立銀行の基金によるものです。
そのためノーベル財団は「ノーベル賞ではない」としているので、この賞を正式名称「アルフレッド・ノーベル記念スウェーデン国立銀行経済学賞」または「ノーベル」を冠しない「経済学賞」と呼んでいます。
しかし、一般にはノーベル賞の一部門として扱われています。

アルフレッド・ノーベル

アルフレッド・ノーベルは、スウェーデンの化学者、発明家、実業家です。
ボフォース社を単なる鉄工所から兵器メーカーへと発展させました。
350もの特許を取得し、中でもダイナマイトが最も有名です。
ダイナマイトの開発で巨万の富を築いたことから、「ダイナマイト王」とも呼ばれました。
しかし、爆薬や兵器を元に富を築いたノーベルには一部から批判の声が上がっていました。
1888年、兄のルードヴィがカンヌにて死去しますが、この時、フランスのある新聞がアルフレッドが死去したと取り違え、「死の商人、死す」との見出しとともに報道しました。
自分の死亡記事を読む羽目になったノーベルは困惑し、死後自分がどのように記憶されるかを考えるようになりました。
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