
今日11月19日は「世界トイレの日」です。
2013年(平成25年)7月の国連総会で加盟国にトイレの普及を促し、衛生環境の改善につなげることが目的に制定された国際デーの一つで、「世界トイレデー」とも呼ばれます。
世界のトイレを研究しているシンガポールのジャック・シム氏が設立した「世界トイレ機関」が記念日を制定したのが始まりです。
日付は2001年(平成13年)のこの日、その世界トイレ機関が設立され、また「世界トイレサミット」が創設されたことに由来しています。
その後もこの日にトイレの問題を考えるイベントや取り組みが世界各地で開催され、その広がりを受けて、2013年に国連総会で正式に制定されました。
世界のトイレ問題について

世界ではいまだ、3人に1人がトイレを使えない現実があります。
過去20年ほどの間に、トイレを使える人たちの割合は少しずつ増加してきました。
1990年には49%であったその割合は、2015年時点で68%まで向上した。
しかし、今なお、約23億人がトイレのない生活を送っています。
道ばたや草むらなど、屋外での排泄は、排泄物に含まれる病原菌が人の手やハエなどの虫、川、地面などを介して人の口に入り、下痢や風邪などの病気を引き起こす危険があり、命を落としてしまうこともあります。
また、「用を足している姿を人に見られるかもしれない」不安は、特に思春期を迎えた女の子には切実な問題で、トイレがないために学校を休む女の子も多くいます。
清潔なトイレで人目に触れず、安心して用を足せる環境づくりが、人間一人ひとりの尊厳を守ることに繋がります。
日本のトイレの日(11月10日)

ちなみに日本では一足早く、東京都文京区春日に事務局を置く一般社団法人・日本トイレ協会が1986年(昭和61年)に制定しています。
日本トイレ協会は、1985年(昭和60年)に発足した団体で、トイレ文化の創出と快適なトイレ環境の創造、トイレに関する社会的課題の改善に寄与することを目的として、シンポジウム・講演会・講習会の企画・開催、トイレに関する各種研究会の設置・運営などの事業を行っています。
日付は「いい(11)ト(10)イレ」と読む語呂合わせからだそうです。
同協会はこの日を中心に「トイレシンポジウム」を開催し、公衆トイレを対象とした「グッドトイレ賞」を発表しています。
さらに、協会には4つの専門研究会があります。
メンテナンス研究会
ハード・ソフトの両面からトイレのメンテナンスに関する技術の多角的向上を図る。
ノーマライゼーション研究会
障害のある人や高齢の人のみならず、様々な人々を対象に、社会生活を営む上で不可欠なトイレのあり方、みんなが安心して使えるトイレはどうあるべきかについて考える活動を展開する。
トイレ文化研究会
トイレにまつわる様々な文化的考察を行うため、講演会・見学会などを展開する。
災害・仮設トイレ研究会

災害時のトイレ事情の改善を目指して様々な活動を行うことを目的とする。
日本のトイレのドアの向き
家のトイレのドアはほとんどが外開きになっています。
これは日本が高齢化社会になってきたことに大きな関係があり、トイレで排便中に息んで脳出血などを起こす人が多いためです。
トイレの中で倒れた場合、内開きだと倒れる向きによっては簡単にドアを開けられない状況になってしまいます。
この状況になるとトイレの内側で倒れた人は外に出られず、外側から助けようとする人もドアを開けられずに助けられないため、家のトイレのドアは開けやすい外開きになっています。

一方、デパートなど公共のトイレのドアは内開きになっています。
それは開けた時に人がいると当たってしまい迷惑をかけることになるためというのが主たる理由です。
また、防犯上の理由でトイレに逃げ込めるように内開きになっているそうです。
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