11月14日 世界糖尿病デー

今日は何の日

今日11月14日は「世界糖尿病デー」です。

2006年(平成18年)に国連総会において制定された国際デーの一つです。
英語表記は「World Diabetes Day:WDD」。
世界で5秒に1人の命を奪うという糖尿病の全世界的脅威を認知することが目的です。

この日はインスリンを発見したカナダのフレデリック・バンティング医師の誕生日です。
もともと国際糖尿病連合(IDF)と世界保健機関(WHO)が1991年(平成3年)に制定した記念日でしたが、2006年12月20日の国連総会で「糖尿病の全世界的脅威を認知する決議」が採択され、合わせて「世界糖尿病デー」が国連の記念日として認定されました。

シンボルマークは、青い丸をモチーフにした「ブルーサークル」で、国連やどこまでも続く空を表す「ブルー」と、団結を表す「輪」をデザインしています。
「Unite for Diabetes」(糖尿病との闘いのため団結せよ)というキャッチフレーズとともに、世界中で糖尿病抑制に向けたキャンペーンを推進していて、この日を中心にイベントやシンポジウムなどが開催されます。

趣旨

2021年現在、世界の糖尿病人口は5億3700万人に上っており、2045年には約7億8300万人に達すると試算されています。
中でも日本が位置するアジア・太平洋地域の患者数の増加は深刻で、2021年は2億600万人と全世界の約1/3の糖尿病患者がこの地域に集中しています。
日本においても、糖尿病と強く疑われる人と可能性を否定できない人の合計は約2000万人に上り、早急な対策が迫られています。

このような状況を踏まえ、国際連合(国連)は、IDF(国際糖尿病連合:現在約170カ国230団体が加盟)が要請してきた「糖尿病の全世界的脅威を認知する決議」を2006年12月20日に国連総会議で採択しました、
同時に11月14日を「世界糖尿病デー」に指定し、世界各地で糖尿病の予防、治療、療養を喚起する啓発運動を推進することを呼びかけました。
11月14日は国連及び主要国で様々なイベントが開催されます。
日本でも、日本糖尿病学会、日本糖尿病協会が中心となって、各地で著明な建造物をブルーにライトアップして、街頭での啓発活動を実施しています。
ぜひ読者の皆さんも世界糖尿病デーのイベントに参加するなど、ご自分やご家族、大切な人とともに、糖尿病について予防を含め考えをめぐらせていただきたいと思います。

現況

糖尿病は今や世界の成人のおよそ10人に1人が抱える病気です。
一般的に死に至る病気との認識は薄いですが、年間実に670万人以上が糖尿病の引き起こす合併症などが原因で亡くなっています。
これは世界のどこかで、5秒に1人が糖尿病に関連する病で命を奪われている計算となり、エイズ(AIDS)による死者に並ぶ数字です。
ちなみに、国連決議が採択された2006年は10秒に1人でしたから、残念なことに16年間で半分の秒数になってしまいました。
糖尿病患者の増加は特に発展途上国で顕著に見られ、経済成長、生活水準の向上、教育改善の大きな妨げとなっています。

日本において

2016年に実施された糖尿病実態調査によると、日本には約1000万の「糖尿病が強く疑われる人」が存在します。
さらに、前述のとおり「糖尿病の可能性を否定できない人」も約1000万人おり、合計で総人口の15%を超える約2000万人の糖尿病患者および予備群がいると推定されています。
糖尿病の重症化予防のためには早期発見・早期治療が重要ですが、医療機関や健診で糖尿病といわれたことのある人の中で、「治療を受けていない」人の割合は、特に男性の40~49歳の働き盛り世代で最も高く、約5割が未受診または治療中断という状況です。
糖尿病には痛みなどの自覚症状が少ないことから、疑いがありながらそのまま治療を受けないケースが多くあることが、その要因と考えられています。

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