
今日11月9日は「119番の日」です。
日付は消防機関に提供される緊急通報用電話番号「119番」に因んでいます。
当時の自治省(現:総務省)消防庁が1987年(昭和62年)に制定しました。
119番は、日本で火災を発見した時(火事)、急病人・怪我人を発見した時(救急)、事故や災害等で助けを必要とする時(救助)など、緊急時に消防へ助けを求める時に通報する電話番号です。
記念日は消防庁が消防発足40年を記念したもの。住民の防火・防災に対する正しい理解と認識を深め、地域ぐるみの防災体制の確立に資することを目的です。
この日には、防火意識の喚起とともに、適正かつ迅速・的確な「119番」通報を呼びかける啓発活動も行われます。
また、この日から一週間は「秋の全国火災予防運動」の期間となっています。

一刻一秒を争う消火活動や救急・救助活動の始動のために「119番」通報は重要なものです。
「119番」通報の受信は管轄する消防本部の指令室や消防署所の通信室で行っています。
年間の「119番」通報件数は全国で 763万7967件(令和5年度)にのぼっています。
さて、火災報知の電話サービスが、1926年(大正15年)に導入された時の番号は「112番」でした。
当時はダイヤル式の黒電話であり、一刻を争う緊急のためにダイヤルを回す時間の短い番号として指定されましたが、意外とかけ間違いが多かったようです。
そこで、翌年の1927年(昭和2年)にかけ間違い防止と最後にダイヤルを回す時間が長い「9」を回すことで落ち着いて話ができるためという理由で現在の「119番」になったと言われています。また、「119番」は誰でも覚えやすい番号でもある。警察への緊急通報の「110番」も同様の理由とされています。
119番に通話する内容
火災(消防車)と救急(救急車)の出動要請を兼ねるため、最初にどちらの事案であるか明確にする必要があります。
そのため通報を受けた受信台オペレータは必ず「火事ですか、救急ですか」と問いますので、これに答えれてください。
ただし通報者は往々にして動揺し、場合によってはパニック状態になってしまうため、オペレーターは強い口調で繰り返し尋ねる事もあります。
これは、通報者を落ち着かせて身の安全を確保させると共に、最も重要な住所などの情報を得るためだそうです。
極度の焦燥により、意味のない言葉(「燃えてるー燃えてるー」「車が、人が」など)を繰り返したり、不完全な住所(何丁目何番地、だけ繰り返すなど)しか言えなくなっていたりします。
もし、『自分はちゃんと言ってる』のに何度も聞き返されるとしたら、それは必要な情報が抜け落ちている事を意味していると理解してください。。
また、通話中になんらかの事情で通話が切れた場合には指令台側からかけなおしてくれます。
1.火事と救急の種別
2.発生場所・位置(○区(市)、○町、○丁目、○番、○号、○ビル、○階、または目印)
3.状況
3-1.火事の場合 どこ・何が燃えている、けが人、逃げ遅れの有無

通報例(火事、救急の別、場所(目標)、燃えている物、救助要請等を確実に伝えること。)
「火事です、○○町の○○商店から火が出ています。燃えている物は○○で、店の○○階で救助を求めている人が○○人います。現場への目標は○○です。」
3-2.救急の場合 急病か事故か 人数、状況(挟まれている、出血している、意識の有無など)

通報例
「救急です。80歳の祖父が突然倒れました。意識がありません。呼吸はあります。以前に、脳卒中で○○病院に通院しています。場所は○○町の○番地、電話番号はxxx-xxxxです。」
年齢・性別・現場の状況・既往歴・かかりつけ病院・意識の有無または意識の水準(意識が全く無いとか、自分の氏名や現在いる場所が言えないとか)・呼吸や脈拍の有無などを、指示に従いながら冷静に伝えるのが望ましいです。
そして、救急車が到着するまでに、どんな応急処置をすればいいかも担当者が指示してくれます。

近年、緊急性が認められない119番通報が増加していて、救急隊が到着、傷病者を病院へ搬送するまでの時間が長くなる傾向にあります。
また出動させられる事により、真に救急対応が必要な傷病者のための救急出動が困難になっています。
救急車は緊急に病院に搬送しなければならない傷病者のためのものであり、緊急性の低い件に用いてしまうと、真に救急医療を必要とする人への対処が遅れる原因ともなります。
病気や怪我の場合でも、緊急の救助が必要な場合以外は、タクシー等の手段で病院へ行くなど救急車の適正利用には留意したいものです。
ちなみに1月10日は「110番の日」となっています。
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