１０月１０日　目の愛護デー

中央盲人福祉協会が１９３１年（昭和６年）に失明予防の運動として「視力保存デー」として制定しました。
戦時中は目の健康に関する取り組みは休止されていましたが、戦後、改めて内容が見直され、厚生省（現：厚生労働省）が「目の愛護デー」と改称し、現在の１０月１０日の「目の愛護デー」が制定されたといわれています。

日付は「１０」「１０」を横に倒した形が目と眉に見えることに因んでいます。
また、１９６３年（昭和３８年）のこの日、アイバンクが開設されました。
現在は厚生労働省が主催となり、「目の愛護デー」には目の健康に関連する企業や団体や公益社団法人・日本眼科医会も参加して目の伝染性疾患予防などに対する知識の普及活動の拡大、失明者に対する福祉運動など、「目の大切さ」を呼びかけるイベントが実施されています。
また、各地域で眼科検診や目の大切さを呼びかけるための運動やイベントなども行われています。

アイバンク
アイメイト・デー、盲導犬の日

アイバンク

アイバンク（眼球銀行）とは、角膜移植を希望する患者と角膜を提供するドナーをつなぐ公的機関です。
献眼の意思がある人の登録を受け、提供された眼球の摘出や保存、移植病院への輸送などを行っています。

昭和３３年、死体眼から摘出した角膜を移植する手術を行なうため、「角膜の移植に関する法律」が当時の中山マサ厚生大臣らを中心に議員立法で成立し、交付されました。
そして昭和３８年には、その法律に則り、厚生省から「眼球あっせん業許可基準」が公示され、眼球銀行が慶應義塾大学、順天堂大学などに設立されました。

その後、昭和４０年には、「視力障害者の視力の回復に資するために献眼及び角膜等移植並びにアイバンク事業の普及推進を図り、国民の健康及び福祉の向上に寄与する」ことを目的として、財団法人日本眼球銀行協会が設立されました。
現在では平成９年（１９９７年）成立の「臓器の移植に関する法律（臓器移植法）」が制定された後にこの法律に基づいて行なわれ、角膜移植は公益財団法人日本アイバンク協会があっせん業務を行なっています。

しかしながら、２０２２年時点で年間２００００件の角膜移植手術の必要性に対し、１０００眼前後の眼球しか提供できず、社会のニーズを満たしていない状況です。

アイメイト・デー、盲導犬の日

１０月１０日は「盲導犬の日」でもあります。
１９７２年（昭和４７年）に東京盲導犬協会（現在のアイメイト協会）が制定しました。
１９７１年（昭和４６年）のこの日、同協会が東京都から財団法人として認められました。
アイメイトとは、目の不自由な方の目として働く盲導犬のことで、視覚障害者と盲導犬への理解を深めてもらうことが目的です。

中高年の失明原因は第１位が「緑内障」、第２位が「糖尿病網膜症」であり、これらは初期に自覚症状が全くありません。
また、失明原因としては多くはありませんが、「網膜剥離」や「白内障」など視力を低下させる病気もあります。
日本眼科医会では、目の健康を守るため、年に一度は眼科専門医を受診するよう勧めています。