10月5日 時刻表記念日

今日は何の日

今日10月5日は「時刻表記念日」です。

そもそも時刻表の誕生とはどのようなものだったのでしょう。 
1872年、新橋・横浜間に鉄道が開通した際、列車の運行スケジュールを駅に掲示する形で登場したことが時刻表の起源とされています。

そして、1894年(明治27年)のこの日、庚寅新誌社こういんしんししゃ)が日本初の本格的な冊子形式の時刻表汽車汽船旅行案内』を月刊誌として出版しました。
恩師の福沢諭吉の勧めにより手塚猛昌(てづか たけまさ)がイギリスの時刻表を参考にして発行したもので、発車時刻や運賃のほか、沿線の案内や紀行文なども掲載されていました。
このスタイルが踏襲されながら、現在に至っています。

駅名・時刻とも漢字縦書きで、右から左へ横に進む体裁で、全国の時刻表をまとめたもので、現在の時刻表の基礎を築きました。
明治期の実業家である手塚は、これらのことから「時刻表の父」と呼ばれています。
また、手塚は、山口県萩市須佐の出身であり、山陰本線須佐駅前には「時刻表の父 手塚猛昌顕彰之碑」が建立され、功績を紹介する説明版が立てられています。

時刻表も開業当時は列車の運行本数も限られており、紙1枚で収まるほどの情報量でした。
それでも戦時中には紙不足による休刊となってしまいました。
しかし戦後の高度経済成長期の1967年には現在と変わらない大きさの分厚い冊子となりました。

そしてその1冊の重量は1kg以下となっています。
これには郵送法の中で、認可を受けた定期刊行物は第三種郵便物として取り扱われ、郵送料が定形外郵便物やゆうメールに比べて安くすみます。
第三種郵便物には細かい規定がいくつかあって、その中の1つに「重さの上限が1kg」というものがあります。
時刻表は、書店で販売するだけでなく全国の鉄道事業者や旅行代理店や個人などの定期購読者に直接郵送することが多いので、なるべく郵送料を抑えるために1kgの上限を超えないようにしていました。

しかし、新しい路線が増えたり臨時列車が増えたり、1kg以下にするのはとても大変なことだったようです。
時刻表に使われる用紙を薄くて軽くて破れにくく、両面印刷しても文字が裏面に透けないという特別なものに変えたり工夫がされました。
それでも臨時列車が多かったりなどして1kgを超えてしまう月は、サイズを5mmほど小さくしたり、封筒を軽いフィルム素材にしたりして1kgを超えない努力をしているそうです。

時刻表は、明治時代から現代に至るまで、数多くの進化を遂げてきました。
現代では、紙の時刻表からデジタル化されたアプリケーションへと変わり、今やスマートフォン一つで世界中の交通機関の時刻を知ることができるようになりました。
また、観光業においても重要な役割を果たしていて、旅行者は時刻表を利用して効率的な観光プランを立てることができ、各地の魅力を最大限に体験することができるようになりました。

また、時刻表は、人々を繋ぐコミュニケーションツールとしての役割も担っています。
列車やバスの時刻を知ることで、友人や家族との約束を守ることができ、社会生活を円滑に進めることができます。
また、時刻表を見ることで、他の人々との共有体験が生まれます。
例えば、同じ列車に乗ることで、見知らぬ人々とも一時的ながら共通の目的を持つことになります。
このことは、時刻表が私たちの日常生活にどれだけ深く関わっているかを示しています。

そして、このように私たちの日常生活に密接に関わる時刻表ですが、それがどのようにして現在の形になったのかを知ることは、私たちがどのように時間と共に生きているかを再認識する機会にもなります。

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