
今日9月27日は「世界観光デー」です。
世界観光機関(World Tourism Organization:WTO)が制定した国際デーの一つで「世界観光の日」と呼ばれることもあります。
1979年(昭和54年)9月にスペインのトレモリノス市で開催された世界観光機関の第3回総会で、翌年の1980年(昭和55年)から「世界観光の日」を制定することが決議されました。
このことから世界観光機関憲章が採択され、世界の観光における重要な節目となった1970年(昭和45年)の9月27日を記念日としたものです。
この日は、世界観光における重要な節目となった日付であり、観光が人々の生活にもたらす価値や経済的な意義を世界中に広めるための日として位置づけられています。
観光業が地球規模の平和や繁栄に貢献することを目指し、世界各国で様々なイベントやキャンペーンが展開されます。

世界観光デーを通じて、観光が社会に与える影響について考えることは大切なことです。
観光業は単にレジャー産業としての側面だけでなく、雇用創出や地域経済の活性化にも大きく貢献しています。
特に、地方の小さな町や村にとっては、観光客を呼び込むことが、地域の特産品や文化を守り、伝えていくための重要な手段となっています。
日本でも、この日をきっかけに観光業界が盛り上がりを見せ、地域の魅力を再発見するイベントが多く開催されるようになっていて、地方創生や国際交流の一環としても、非常に重要な役割を担っています。
なお、世界観光機関はスペインのマドリードに本部を置き、2003年(平成15年)に国連の専門機関となり、略称も「WTO」から「UNWTO」となりました。
世界観光デーを中心に加盟各国で、観光推進のための活動が行われています。
2019年1月現在の加盟国は158か国、加盟地域6地域、オブザーバー2地域となっています。
このほか、民間企業・地方自治体、大学が、賛助加盟員として加盟可能であり、世界全体で431、日本からは、日本旅行業協会、ジェーティービー、ぐるなび、京都外国語大学など、19団体が賛助加盟員として参加しています。

世界観光機関は各国の観光政策への支援を、専門家の派遣や国際会議の開催などを通し、技術面・政治面の両面から行っています。
また2021年より「ベスト・ツーリズム・ビレッジ」として世界の小都市、町村を認証してきました。
観光振興と持続可能な開発目標(SDGs)との接点を見出そうとする取り組みで、候補になる前提条件は人口1万5000人以下であることとしています。
ちなみに日本では、制度設定の2021年に京都府南丹市美山町、北海道ニセコ町、北海道美瑛町、そして2023年には宮城県奥松島、長野県白馬村、岐阜県白川村が認証されています。

しかし、観光業の発展には環境への配慮も必要です。
いわゆるオーバーツーリズムと言われる過剰な観光は自然破壊や文化の浸食につながることもありますので、持続可能な観光の推進が求められています。
この点においても、世界観光デーは意識を高める日ともなるでしょう。
そして私たちが旅行をする際にも、地球環境や地域社会への影響を考え、責任ある観光を心がけることが求められています。
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