
今日9月10日は「下水道の日」です。
1961年(昭和36年)に建設省(現:国土交通省)が「全国下水道促進デー」として制定しました。
その後、旧下水道法が制定されて101年を迎えた2001年(平成13年)から、より親しみのある名称として「下水道の日」に改称されました。
日付は立春から220日目頃が雑節「二百二十日」で、台風がよく来るシーズンであり、浸水対策を役割の一つとして担う下水道を広くアピールするのに最適であることから選ばれました。
下水道は快適で安全な街づくりには、なくてはならない重要な施設で、その普及促進を目的としています。
この日を中心とした前後一週間に、全国で下水道事業の啓発に関わる様々なイベントが実施されます。
旧下水道法が制定されたのは1900年(明治33年)のことで、その当時は都市への人口移動や貿易拡大に伴い、コレラなどの伝染病の流行が相次ぎ、多くの死者を出しました。
これらに対抗し公衆衛生を改善するために同法は制定され、日本における近代下水道の基となっています。
しかし、最初に記念日が制定された1961年(昭和36年)当時の下水道の普及率は6%でした。
著しく遅れている下水道の全国的な普及を図る必要があり、そのアピールのために「全国下水道促進デー」が開始されました。
関連する記念日として、1887年(明治20年)10月17日に横浜の市街地へ日本初の近代的上水道による給水が開始された日に由来して、「上水道の日」となっています。
下水道とは

下水道(げすいどう)は、主に都市部の雨水および汚水を、地下水路などで集めた後に公共用水域へ排出するための施設・設備。下水道は水を排出する施設で、多くは浄化などの水処理を行います。
下水道には以下のような役割や効用があるとされます。
1.雨水の排除(浸水の防除)
2.汚水の排除による生活環境の改善(便所の水洗化)
3.公共用水域の水質保全及び水質改善による水資源の確保
4.処理水や汚泥の再利用によるリサイクル型都市づくり
5.下水道施設の活用(処理場の上部利用、下水道管に並行した光ファイバーの設置)

とりわけ衛生面では、赤痢やコレラなど水系伝染病の防除、トイレの水洗化による居住環境の改善や悪臭の防除、ドブ等の改善による蚊やハエの発生の抑制、汚濁源の削除による河川や水路の水質改善、低湿地の排水状況の改善といった効用があります。

*公共用水域とは
公共用水域(こうきょうようすいいき)とは、水質汚濁防止法によって定められる、公共利用のための水域や水路のことをいいます。
河川、湖沼、港湾、沿岸海域、公共溝渠、かんがい用水路、その他公共の用に供される水域や水路を指しますが、下水道部分は除きます。
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