
今日8月19日は「献血の日」です。

1930年に内閣総理大臣の濱口雄幸が暴漢に銃撃された際、輸血によって一命を取り留めたことから一般に輸血治療が知られるようになりました。
そして、全国に輸血のための血液を売る商売が出現し、政府からも問題視されていました。
そこで、内務省衛生局は、血を売ろうとする者の年齢や健康状態、疾患の有無などの条件をつけて取り締まることとしました。

売血(ばいけつ)とは、自らの血液を有償で採血させる行為のことで、日本では1950年代から1960年代半ばまで輸血用血液の大部分を民間血液銀行が供給していましたが、その原料は売血で賄われていました。
その売血制度があった当時、金銭を得るために過度の売血を繰り返す人たちの血液は血球が少なく血漿部分が目立つため「黄色い血」と呼ばれていました。
この血液は、輸血しても効果がなく、また、輸血後に肝炎などの副作用を起こしがちだったため、大きな社会問題となっていました。
1964年(昭和39年)のこの日、それまでの売血制度をやめ、全ての輸血用血液を献血によって確保する体制を確立するよう、献血の推進が閣議で決定されました。
その契機となったのは、、ライシャワー駐日アメリカ合衆国大使が刺される事件がおきました。
大使は一命をとりとめましたが、手術時の輸血により、輸血後肝炎を発症したことが明らかになりました。
そうした動きにより、提供者のモラルが期待できる献血制度へと血液行政は大きく舵を切ることとなりました。
そして5年後の1969年に売血が終息しています。

「献血」とは、病気やけがで輸血や血漿分画製剤を必要とする患者さんのために、自分の血液を自発的かつ無償で提供することです。
皆さんの善意の献血によって、多くの患者さんの命が救われます。
献血は命をつなぐボランティアと言えるでしょう。

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