
「箸を正しく使おう」という民俗学研究者の提唱で、わりばし組合が1975年(昭和50年)に制定されました。
日付は8(は)と4(し)の読む語呂合わせです。
この日には、東京・千代田区の日枝神社で、神前に長さ1mの大きな箸を供え、古い箸を焼いて供養する「箸供養祭」が行われています。
同様の行事は日本各地で開催されています。
日本では6世紀中頃に仏教とともに百済から伝来し、朝廷の供宴儀式で箸を採用したのは聖徳太子で、607年遣隋使として派遣された小野妹子一行が持ち帰った箸と匙をセットにした食事作法を取り入れたものと言われています。
平安時代になると市街地の遺跡からも箸が出土しており、庶民にまで浸透していたことがうかがえます。

日本において、食事に用いられる箸の典型は、短い木に漆・合成樹脂を塗ったもので、塗り箸と呼ばれる箸です。
漆を塗り重ねた箸には独特の光沢があり慶事などに用いられます。
一方、木目の美しさを出すために表面に漆などによる塗りを施さない箸もあります。
日本の箸は、片端のみ、先が細くなっているものが多いですが、日本の箸の先が細くなっているのは、骨付きの魚を食べる際、骨と身をより分けやすくするためと言われています。。
「箸」を含む慣用表現

箸が転んでも可笑しい年頃
若い娘がちょっとしたことにもよく笑うこと。十五、六歳の娘をいう。
箸にも棒にも掛からない
どうにも、こうにも手がつけられず取り扱いに困ること。
箸の上げ下ろしにも小言をいう
体のちょっとした動かしようや、つまらぬことまで口を出し、やかましく小言をいう。
箸より重いものを持たない
金持ちの家に生まれて大事に育てられ、働いた経験が全くないこと。
塗箸で芋を盛る
滑ってはさみにくいことから、物事のやりにくい様子のたとえ。「塗り箸で素麺(そうめん)を食う」「塗り箸で鰻(うなぎ)を挟む」ともいう。
箸と主は太いがよい
箸は太くて丈夫なのが良く主人もしっかりしていないと頼りにならないたとえ。
箸に当たり、棒に当たる
方々に見さかいなく当たり散らすこと。
箸に目鼻をつけても男は男
箸に目鼻とは、やせた人を形容する言葉。やせても枯れても男は男として尊敬せねばならぬということ。
箸にすたらぬ病人
病気であるのに、食欲だけは旺盛な病人。
箸を持たぬ乞食
全然何も無いこと。
うまい飯なら箸をおかぬ
好きな良い仕事なら誰も止めるものはいない。
箸の弱いのと男の弱いのは食えない
箸と、男が弱くては、食べてはいけない。つまり生きてはいけない。
嫌(きら)い箸・してはいけないお箸の使い方
さぐり箸
汁物などで、かき混ぜて中身を探ること。
渡し箸
食事の途中で箸を器に置くと「ごちそうさま」という意味になる。
ねぶり箸
なにもつかんでいない箸をなめること。
移り箸
一旦取りかけてほ他のものに変えること。
刺し箸
箸の先で突き刺して食べること。
寄せ箸
箸で器を引き寄せること。
迷い箸
食べる物を決めないで箸をウロウロさせること。
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