
今日7月17日は「国際司法の日」です。
1998年のこの日、国連全権外交使節会議(通称:ローマ会議)において「国際刑事裁判所ローマ規程」(通称:ローマ規程、ICC条約ともいう)が採択されました。
日本は条約加入とともに、国際刑事裁判所(ICC)への捜査協力や容疑者引き渡し手続きなどを定めた協力法を制定し、加盟国中最多額となる年間30億円の分担金拠出を決めました。
2024年(令和6年)2月時点の加盟国は124か国ですが、国連安保理常任理事国であるアメリカ合衆国、中華人民共和国、ロシア連邦の三か国は未加盟で、有効性を疑問視する見方もありますが、安全保障理事会は、ICCの締約国でない国に関することも含め、事態をICCに付託することができることになっています。
国際刑事裁判所はオランダ・ハーグに本部を置く、法律的にも機能的にも国際連合から独立した、国連システムの一部でもない常設の裁判所で、国際社会全体の関心事であるもっとも重大な犯罪である集団殺害犯罪、人道に対する罪、戦争犯罪に問われる個人を訴追します。
国連と刑事裁判所との協力は「交渉による関係協定」に規定されています。
また、2017年に締約国が行う決定によっては、侵略犯罪に対しても管轄権を持つことになりました。
現在の所長は、日本人としては初めてとなる赤根智子氏です。
最近では、ロシアのプーチン大統領やショイグ前国防相ら3名、イスラエルのネタニヤフ首相やガラント国防相、イスラム組織ハマスの幹部のヤヒヤ・シンワル氏の逮捕状を出しています。

国際的な司法機関と言えば、もう一つ、同じくオランダのハーグにある平和宮(ピース・パレス)に本部を置く「世界法廷」として広く知られる国際司法裁判所(ICJ)があります。
国際司法裁判所は、国家間の紛争を解決する手段として、1945年に設立されました。
国連においては、総会、安全保障理事会、経済社会理事会、信託統治理事会、事務局と並ぶ国連の6つの「主要機関」の一つで、ニューヨーク以外に本部を置く唯一の主要機関です。
そして、正当な権限を与えられた他の国連機関から諮問された法的問題について勧告的意見を与えることもあります。
2024年1月10日、イスラエルがジェノサイド条約における義務に違反しているとして南アフリカが国際司法裁判所への提訴を決めたことで、ICJは世界的に大きな注目を集めています。
ICCとICJとの違いを最も簡単に説明すると、ICJの訴訟では国が当事者となりますが、ICCは、戦争犯罪や人道に対する罪について個人が提訴される刑事裁判所であるということです。
また、ICJが国連の機関である一方、ICCは前述のとおり、国連総会の承認を受けているものの、法的には国連から独立しています。
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