7月2日 ユネスコ加盟記念日

今日は何の日

今日7月2日は「ユネスコ加盟記念日」です。

1951年のこの日、日本が国連教育科学文化機関(ユネスコ・United Nations Educational, Scientific and Cultural Organization U.N.E.S.C.O.)に加盟ました。
ユネスコの本部はパリにあり、教育・科学・文化を通して世界の平和と安全に寄与することを目的として、広報活動・情報交換・成人教育・児童教育等の文化普及活動を行っています

ユネスコは「教育や文化の振興を通じて、戦争の悲劇を繰り返さない」との理念により、設立の意義を定めたユネスコ憲章の前文には「戦争は人の心の中で生まれるものであるから、人の心の中に平和の砦を築かなければならない」との文言があります。

ユネスコの役割

その役割は、以下の通りです。

教育の促進

ユネスコは世界中で教育の質と普及を向上させるための施策を推進します。特に途上国や社会的に弱い立場にあるグループへの教育機会の提供や教育の基本的な権利、アクセスの平等性、教育システムの改善に注力しています。

科学の支援と普及

科学の発展と普及を促進し、国際的な科学的協力を推進しています。
例えば、気候変動、エネルギー、環境問題や持続可能な開発などのグローバルな課題に対する科学的なアプローチを推進し、持続可能な開発目標(SDGs)の達成を支援したり、科学的知識の普及を図り、特に途上国での科学教育の充実を支援しています。

文化の保護と多様性の促進

ユネスコは文化遺産の保護、文化の多様性の尊重、言語の保存と振興などに取り組んでいます。
そして文化的な対話と理解を深めるためのプロジェクトを支援しています。

文化遺産の保護と保存

世界遺産や文化財の保護を支援し、持続可能な観光や地域の発展を促進しています。

言語多様性の保護と振興

言語の多様性を尊重し、言語の保存と振興を支援しています。

文化的表現の自由とアクセス

文化的表現の自由を支持し、アーティストや文化活動家の活動を支援しています。

メディアの自由と情報へのアクセス

ユネスコはメディアの自由の保護と促進、情報へのアクセスの権利の重要性を強調し、それを支援するための国際的な取り組みを推進しています。
メディアの自由の保護、情報へのアクセスの促進を通じて、民主主義と透明性を強化しています。

国際協力の促進

ユネスコは加盟国と協力して、教育、科学、文化の分野での国際的な標準の確立と実施を目指しています。
また、平和の促進や持続可能な開発の達成に向けた国際的な努力を推進するとともに、国際協力を通じて、グローバルな課題に対する共同対応を促し、平和と安全を推進しています。

ユネスコはこれらの活動を通じて、重点的に推進する目標として「万人のための基礎教育」「文化の多様性の保護および文明間対話の促進」などを定めています。
それに基づき、例えば前者に関しては識字率の向上や義務教育の普及のための活動、後者については世界遺産の登録と保護、文化多様性条約の採択のほか、歴史的記録遺産を保全するユネスコ記憶遺産(世界の記憶)事業などを実施しています。

ユネスコと世界遺産

ユネスコは、世界遺産の保護と管理において重要な役割を果たしています。具体的には以下のような関与があります。

世界遺産の指定と管理

ユネスコは、世界遺産リストに登録される文化遺産や自然遺産の選定を行います。
選定されるためには、特定の基準を満たすことが求められます。
選定された世界遺産の保護と管理について、国際的なガイドラインやベストプラクティスを提供し、加盟国に支援を行っています。

文化遺産の保護と保存

ユネスコは世界遺産として登録された文化遺産の保存に対して技術的な支援や資金援助を行います。
これには、文化的な価値を持つ建築物、遺跡、歴史的な都市などが含まれます。
また、地域社会や関係者と協力して、持続可能な観光や遺産管理の計画を策定し、遺産の状態を保つための努力を支援しています。

自然遺産の保護と持続可能な管理

自然遺産についても同様に、ユネスコは環境保護、生態系の持続可能性、地域の持続可能な開発を促進するための支援を行っています。
例えば、国立公園や自然保護区の管理計画の策定や実施を支援しています。

教育と啓発

世界遺産に関する教育と啓発活動を推進し、公共意識の向上を図っています。
これには、学校教育や観光業者向けの教材やガイドラインの作成、世界遺産の価値や重要性を理解するための普及活動も含まれます。
ユネスコの世界遺産に関する活動は、文化的多様性の保護と尊重、持続可能な開発の推進、世界的な遺産の共有と理解を促進するための重要な取り組みなのです。

世界遺産指定のメリットとデメリット

世界遺産に指定されることには、以下のようなメリットとデメリットがあります。

メリット

国際的な認知と評価

世界遺産に指定されることで、その文化遺産や自然遺産の価値が国際的に認知され、評価されます。これにより、世界各国からの観光客や研究者が増え、地域経済や文化交流にプラスの影響があります。

保護と管理の支援

ユネスコや他の国際機関から、遺産の保護と持続可能な管理に向けた技術的支援や資金援助を受けることができます。これにより、遺産の保存や維持管理が強化されます。

教育と観光の促進

世界遺産として認定された地域は、その歴史や文化、自然環境に関する教育プログラムや観光促進策を展開することができます。これにより、地域社会の教育レベルが向上し、観光産業が活性化します。

文化的アイデンティティの強化

遺産が世界遺産に指定されることで、その地域の文化的アイデンティティが強化され、地域住民の誇りや意識が高まる効果があります。また、文化遺産の保存と伝承が促進されることもあります。

デメリット

観光による負荷(オーバーツーリズム)

世界遺産に指定された地域は、観光客の増加による環境負荷や文化的負荷を受けることがあります。
適切な管理や規制が行われない場合、遺産の破壊や文化の浸食が進む可能性があります。

開発とのバランス

指定された地域での開発活動やインフラ整備は、遺産の保存に対する脅威となる場合があります。
地域経済の発展と遺産保護のバランスを取ることが重要ですが、これが難しい場合もあります。

政治的な影響

世界遺産に指定される過程やその後の管理において、政治的な意図や国際社会の影響を受けることがあります。
これが遺産の適切な管理や保護に影響を及ぼす場合があります。

コストと労力

世界遺産の管理や保護には、技術的な専門知識や財政的なコストが必要です。地域社会や国がその負担を支えられるかどうかが問題となることがあります。
世界遺産に指定されることは、文化遺産や自然遺産の価値を広く認知させる良い機会でありますが、その管理と保護には十分な配慮が必要です。

ユネスコと寄付

ユネスコは、さまざまな分野での国際的なプロジェクトや活動を支援するために寄付を募っています。具体的な寄付の用途や例は以下の通りです。

教育プログラムへの寄付

ユネスコは世界中で教育の普及と質の向上を目指しており、特に途上国や危機に直面している地域での教育支援を行っています。寄付は学校建設、教材の提供、教育機会の拡充などに使われます。

文化遺産の保護と復元

文化遺産の保存と復元が重要な活動です。寄付は世界遺産や文化的に貴重な建造物、遺跡、美術品の保護に資金が充てられます。

科学的研究と技術開発の支援

ユネスコは持続可能な開発目標(SDGs)に向けた科学技術の普及と推進を支援しています。寄付は科学的研究、技術開発、環境保護などに役立てられます。

メディアの自由と報道の促進

メディアの自由と情報へのアクセスを促進するためのプロジェクトに対しても、寄付が使われます。
特に報道の自由を支援し、民主主義の強化を目指します。

緊急支援と復興プロジェクト

災害や紛争で被災した地域に対する緊急支援や復興プロジェクトへの寄付も行われています。
これには、教育施設の再建や文化遺産の修復なども含まれます。

最後にユネスコは国連の機関の中では、人類の尊厳に関わりのある多くのテーマに関して関与している重要な機関と感じます。
国際社会がより持続可能で公正な未来に向けて前進するための重要な役割を果たしています

この機会に「ユネスコ」の存在を再認識してみるのはいかがでしょうか。

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