今日6月13日は「はやぶさの日」です。
はやぶさと言っても猛禽類のはやぶさではなく、多くの日本国民に感動を与えてくれた、あの探査機の「はやぶさ」です。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)宇宙科学研究所がある神奈川県相模原市が2012年に制定しました。
そのはやぶさが多くの困難を乗り越え、小惑星「イトカワ」のサンプルを携え、7年間の旅を終えて2010年のこの日に地球に帰還した日です。
はやぶさの概要
はやぶさは2003年5月9日13時29分25秒、内之浦宇宙空間観測所よりM―Vロケット5号機で打上げられ、太陽周回軌道(他の惑星同様に太陽を公転する軌道)へ投入されました。
その後、搭載する電気推進(イオンエンジン)で加速し、2004年5月にイオンエンジンを併用した地球スイングバイ(地球の重力を利用して、軌道を変更する技術)を行い、2005年9月には小惑星「イトカワ」とランデブーしました。
約5か月の小惑星付近滞在中、カメラやレーダーなどによる科学観測を行いました。
そして次に探査機本体が自律制御により降下・接地して、小惑星表面のサンプル(試験片)を採集する予定とになっていましたた。
サンプル採取後は地球への帰還軌道に乗り、2007年の夏には試料カプセルの大気圏再突入操作を行ってパラシュートで降下させる計画でしたが、イトカワへの降下・接地時の問題に起因する不具合から2005年12月に重大なトラブルが生じたことにより、帰還は2010年へ延期されました。
しかし多くのトラブルを乗り越え、2010年6月13日、はやぶさに搭載されたサンプル容器が収められていたカプセルは、はやぶさより分離されて、パラシュートによって南オーストラリアのウーメラ砂漠に着陸し、翌14日に無事回収されました。
しかし宿命ではあるとはいえ、はやぶさ本体は大気中で燃え尽きてしまいました。
はやぶさの名前の由来
H宇宙科学研究所では探査機の名前は、関係者同士の協議によって命名されて来ました。
MUSES-C(打ち上げ前の名称)の場合、「はやぶさ」の他にも「ATOM」(Asteroid Take-Out Mission、アトム)というもう一つの有力候補が存在しました。
はやぶさ案は、小惑星サンプル採取が1秒ほどの着地と離陸間に行われる様子をハヤブサが獲物を狩る様子に見立てた案でした。
他にも「はやぶさ」の名には、打ち上げ地の鹿児島県に因んで、かつて東京から西鹿児島を走った『特急はやぶさ』や、鹿児島県内の地名でもある『隼人』という意味もありました。
一方、アトム案は語意の「原子」から原子爆弾が連想されるとして却下され、結局「はやぶさ」が採用されました。
ミッションムービー (小惑星探査機 はやぶさ - 60億kmの旅を振り返る -)がYouTubeにアップされていますので、あの感動にもう一度蘇らせてくれます。
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