
今日6月4日は「侵略による罪のない幼児犠牲者の国際デー」です。
国連が主催する「国際デー」の一つですが、国際デーをご存知でしょうか。
多くの方が「世界〇〇デー」や「国際〇〇の日」というのをニュースなどで目に耳にされたことがあると思いますが、国際機関(国連総会、国連経済社会理事会、国際連合教育科学文化機関、世界保健機関など様々)によって定められた記念日で、特定の事項に対して特に重点的問題解決を、国連をはじめ全世界の団体・個人に呼びかけるための日です。
由来・目的
1982年(昭和57年)8月19日、パレスチナ問題に関する国連緊急特別総会において、同年6月4日にイスラエルのレバノンへの侵略行為によってパレスチナ・レバノンの罪のない多数の幼児が犠牲者となったことを悼み、6月4日を記念日とした。
この紛争は、イスラエルのベギン首相が1979年にエジプト=イスラエルの和平を実現し南部での戦争の危惧を無くした上で、北部のレバノンを拠点とするパレスチナ解放機構(PLO)を一挙につぶそうと、1982年、「ガリラヤの平和」作戦と称して陸上部隊をレバノンに侵攻させました。
当初の目標のレバノン南部を制圧するに留まらず、レバノンの首都ベイルートを激しく空爆、またパレスチナ側を支援したシリア空軍を一方的に攻撃しました。
また、6月初めに始まった戦闘では、イスラエル軍はクラスター爆弾などの最新兵器を投入、国連の停戦勧告にもかかわらず8月まで戦闘を続け、ベイルートは瓦礫と化してしまいました。
第5次中東戦争ともいうべき事態でした。
この戦争の犠牲者は、死者1万9085人、負傷者3万302人、孤児となった子供約6000人、家を失った人約60万人に上ったそうです。
私には、今続いているイスラエルのガザ地区侵攻とどこか共通点があるような気がしてなりません。
さて、この日は、肉体的、精神的、感情的な虐待の犠牲者である世界中の子どもたちが経験した苦痛を認識することを目的としています。
また、子どもの権利を守るために国連の義務を確認する日です。
紛争における6つの主な侵害
ユニセフファクトシート「武力紛争下で暮らす子どもたちの進歩と課題」 2022年発行より
1.児童兵として働かされること
少なくとも93,000人が武装勢力によって徴兵されています。2016年から2020年の間に、国連は年間平均8,756人の子ども(2020年は8,521人)の徴兵と使用を確認しています。
2.殺戮
少なくとも104,100人の子供が殺害または負傷しています。これらのうち3分の2以上は2014年から2020年の間に発生しており、毎年平均10,500人の子供が殺害または負傷しています。
3.性的暴力
14,200人以上の子どもがレイプやその他の性的暴力を受けています。被害に遭った子どもの年間平均は890人で、2020年の最高記録は1,268人。
しかし、これは実際の規模を反映したものではありません。
男子に対する性的暴力を含む性的暴力の事例は、特に報告が不足しています。性的暴力は少女に影響を与えており、過去5年間の事例の97パーセントで少女が被害者となっています。
4.拉致
25,700人以上の子供が誘拐されています。過去16年間の誘拐事件の3分の2は2014年から2020年の間に発生しており、年間平均は2,414件(2020年は3,202件)です。男子が4分の3を占めていますが、女子も性的暴力や搾取などの目的で誘拐されるリスクが残っています。
5.病院や学校への攻撃
学校や病院に対する攻撃は13,900件以上確認されている。これらの事件の4分の3近くが教育施設、職員、生徒に関係していて、年間平均873件の攻撃があり、そのうち2016年から2020年の間には1,032件が起きています。
6.人道支援へのアクセスの拒否
人道支援アクセス拒否の事例は14,900件以上確認されています。事例の約80パーセントは過去5年間に発生しており、これらの事例を記録し検証する取り組みが強化されていることも示しています。
重要性
この記念日の重要性は、世界中で紛争や暴力によって子供たちが受ける被害に対する認識を高め、国際社会が子供たちを保護し支援する義務を果たすことを促すことです。
子供たちは紛争下で最も脆弱な存在であり、心身の成長や発展に悪影響を受けやすいため、保護が特に重要です。
紛争地域での子供たちの支援プログラムを展開したり、子供の権利や保護に関する啓発活動を行っています。また、紛争解決や平和構築に関する国際的な取り組みの中で、子供の立場や権利が考慮されるよう働きかけています。
近年、多くの紛争地帯で、子どもに対する犯罪の数が増加しています。
紛争の影響を受けている国や地域に住む多くのの子ども達を保護するためには、子どもを暴力的な過激派による標的から保護するため、国際人道法および人権法を推進するための活動が行われています。
昨今の世界情勢をみても、「侵略による罪のない幼児犠牲者の国際デー」の意義の大きさを痛感せざるをえません。
ロシアによるウクライナ侵攻、イスラエルのガザ地区侵攻・・・一般市民の事など考えず戦いの最中でいつも子供たちや年配者がより犠牲になります。
しかし、紛争下での子供の犠牲は依然として深刻であり、引き続き国際社会の連携が求められています。
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