今日6月2日は、六(ろ)二(じ)で「ろじ」の語呂合せで「路地の日」です。
長野県下諏訪町の「路地を歩く会」が、路地の良さを見直そうと制定しました。
下諏訪町は、かつては中山道、甲州街道が分岐する宿場として栄えていて、裏道や路地が多い町です。
その裏道、路地にある古い町並みを楽しもうと発足したのが「路地を歩く会」です。
路地とは、本来は「露地」と表記し、屋根など覆うものがない土地や地面を意味しますが、狭義には密集市街地に形成される狭い道(裏通や小径)のことを言います。
車よりも歩行者の利用がメインとなる路地ですが、さらに奥まって、薄暗い感じが強調された路地のことを「路地裏」とも言っています。このように「路地(露地)」の意味は実に幅広いのです。
路地の日には、路地を活用したイベントや祭りを開催したり、路地における地域の歴史や文化を紹介したり、アートや音楽のパフォーマンスを行ったり、地元の飲食店や店舗が路地で出店することもあります。
また、路地の清掃や整備や地域コミュニティの活性化を目的とした取り組みが行われることもあります。
沖縄の路地文化
沖縄には、家々の間の狭く曲がりくねった「すーじぐゎー」と呼んでいる「路地」があちらこちらにあり、それこそコミュニティの原点として存在しています。
「すーじ(筋)」は路地、「ぐゎー(小)」は愛称語です。
道が湾曲しているのは強風の威力を削ぐためで、ここにも台風の島らしい暮らしの知恵が施されています。
すーじぐゎーのほとんどが、豊かな自然と歴史的な風景が特徴ですが、それ以上に市井の人たちの生活臭が直に伝わってくる場所です。
全国にある「路地」と同様に、正しく生活そのものが路地を媒介に成り立っていると言っても過言ではありません。
ただ、本土の大都市に隣接する下町の路地裏に似てはいますが「すーじぐゎー」は、さらに混沌としたイメージが強い気がしますが、赤い瓦屋根の家や石垣、シーサーや石敢當(いしがんとう)など、どこかノスタルジックな気分にさせられます。
県庁所在地である大都市として発展した那覇市においても、今では再開発の影響でとても少なくなってしまいましたが、生活の場としての「すーじぐゎー」はまだ、そこに暮らす人達の息づかいを伝え生き続けています。
沖縄本島南部に位置する糸満市でも路地文化もまた独自の魅力を持っています。
糸満市の路地文化は、伝統的な沖縄の生活や文化が色濃く残っていることが特徴で、路地には古い家屋や商店が並び、地元の人々が日常生活を営んでいます。
かつては路地ごとに共同体を作っていました。
こうした路地には、沖縄独特の建築様式や伝統的な屋根、庭園などが見られ、訪れる人々に古き良き沖縄の風情を感じさせます。
消えゆく路地・すーじぐゎー
路地・すーじぐゎーは近年どんどんと消えゆく傾向にあります。
路地・すーじぐゎーは車が入れず、消防車等の緊急車両が入れないので、防災に弱いという問題もあるので、行政がこの路地・すーじぐゎーを止むを得ず、なくすようにしているようです。
また、路地・すーじぐゎーは、物件の建て替えの時にもとても重要な存在です。
原則として幅員4m以上の道路に土地が2m幅以上接していなければいけないという「接道義務」というものが、建築基準法で定められているからだ。
これは災害が起きた際に、避難経路や消防・救急の車の通行経路を確保することを目的として決められたもの。接道義務を満たしていない土地は「再建築不可」物件とされ、建て替えられなくなってしまうそうです。
このように路地・すーじぐゎーは都市開発上「絶滅危惧種」となってしまっています。
路地・すーじぐゎーが無くなる前に、あちこちの路地・すーじぐゎーを歩いてみたいものです。
定番の観光スポットに飽きたら、是非、路地を散策して地元の雰囲気を楽しんでみてください。
ただその際は、地元の方々の生活道路となっておりますので、観光公害にならないように配慮・マナーは絶対に忘れずに歩いてください。
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